レイアウトを決めるときに気をつけたいポイント
子供の部屋のレイアウトを考えるときは、まず気を付けたいことを洗い出しましょう。小さい子供でも大きな子供でも安心して過ごせる空間を作るために、確認してほしいポイントをまとめました。
可変できる家具を選ぶ
子供はすぐに大きくなっていきますので、その都度家具をサイズアップするのは大変です。成長に合わせて可変可能な家具を利用したり、小さいときから大きくなっても使い続けられたりできるような家具を購入しましょう。
まず家具の中でも一番長く使うかもしれない勉強机。勉強机は小学校から大学生まで使います。10年以上使う可能性があるので大学生になったころにも使い続けられる素材や、収納やPC台などをあとでカスタマイズできるデスクかをチェックしておきましょう。
小学生低学年くらいでは、まだ身長が伸びる前の子供も多いので、オモチャの収納場所や本棚は身長にあった高さにしてあげるのがポイントです。先のことを見越して大きい棚や高い収納にしてしまうと、小さい子供は使えず部屋中にものが散乱してしまうかもしれません。取り出しにくかったり片付けしにくかったり、自分でできない収納よりは、成長に合わせたものに変えてあげると、自立心なども養われていきます。
子供の目的に合わせた部屋のサイズを選ぶ
子供部屋を6畳にしたときに、正方形か長方形かで置ける棚の量も、置いたあとの雰囲気も異なります。これは、窓や出入口のドアの兼ね合いで同じ畳数なのに配置できる幅が変わるためです。
正方形の部屋の場合、遊べるスペースとして部屋の真ん中が広々した形になりますが、棚や家具はたくさん入りきらない場合があります。同じ畳数でも長方形の部屋であれば、真ん中のスペースは減りますが、壁に沿って棚や収納を設置しやすくなります。
小さな子供の場合は長方形のお部屋で真ん中にオモチャを広げても広々と遊べるスペースがあった方がいいでしょう。中学生を過ぎたら長方形で収納を増やしてあげる方が、子供の状態にあったレイアウトになります。もし筋トレやダンスなどスペースが必要な趣味がある場合は、正方形のほうがいい場合もあります。その子の趣味や特徴に合わせてレイアウトを考えてあげましょう。
子供の部屋は大きければいいというものではありません。広すぎる部屋では孤独を感じやすくなり、引きこもってしまうことも。反対に狭くても圧迫感があり窮屈な気持ちを抱えて過ごしてしまいます。ちょうどいいサイズというのはとても難しいですが、都度子供とコミュニケーションをとりながら、状況に合わせて引越しなども検討してあげるといいでしょう。
管理能力を上げるレイアウトにする
言葉が上手く話せない幼児だと親がすべて調整してあげますが、3歳以上はすべてを親の意見のままにレイアウトを設計するのではなく、子供と一緒に考えるのがおすすめです。
自分で考えた部屋と与えられた部屋では意識が変わります。遊びやすさや片付けのしやすさも自分で考えるようになるので、自己管理能力を上げられるでしょう。最初の動線だけは親が引いてあげて、細かいところは子供に考えさせてみると思いもよらない提案をしてくるかもしれません。動線は、主に帰宅時にスムーズに学習机に座れるように片付ける場所を設置していくのがポイント。自分の部屋の入口に部活や習い事のバッグを置ける収納を用意しておき、学校のバックはデスクの横に指定しましょう。あっちこっちにバラバラに片付けるように見えますが、宿題などの必要な書類だけを持ってデスクの近くへ行くという動線が、「やらなきゃ」というスイッチになることも。
外出するときは学習机の上にある教科書などバッグにしまって、出かける前に部活や習いごとのバックなども持って出られます。大きな荷物を持ったまま部屋の中をあちこち歩くことなく出られるので、忘れ物も減り気持ちよく出かけられるでしょう。
プライベートの確保と引きこもり過ぎない対策をする
子供に自分だけの時間を作ってあげることはとても大事なことです。一人の時間に集中してオモチャで遊んだり、勉強したり、本を読んだり。年齢によってやりたいことはさまざまですが、一人の時間を気持ちよく使える空間を作ってあげられるようにしましょう。最初は心配な部分もあると思いますが、信じて静かに見守ってあげることが重要です。プライベートを確保するためにと鍵をつけるのはNG。なにかあった場合にすぐに出入りできる状態にしておきましょう。
また、テレビやゲームなども部屋には設置しないようにするのがポイント。テレビはリビングでみんなと見ながら団らんする時間を確保し、部屋では集中したりリラックスしたりする空間として利用するように、切り分けを教えていきましょう。
家に入ってから子供部屋へいく動線を考えて部屋を選ぶことも大切です。リビングや活動拠点になっている部屋を通って子供部屋へいける動線にしておけば、子供とのコミュニケーションをとりやすくなります。リビングに階段があるリビングイン設計も子供の帰宅や外出時に必ず顔を合わせられるのでおすすめです。これから家を立てる予定の方は検討してみるといいでしょう。
年齢に合わせたサイズ
子供部屋を作るときに何畳分の部屋にするか悩みますよね。小さい子には4畳半くらいのサイズから始めるのがいいとされています。寝るときは親と一緒という場合はオモチャ部屋として自分の部屋を作ってあげると自分で片付けや管理するようになっていくでしょう。お友達を呼んで遊べるようになる年頃には少し手狭に感じてくるかもしれません。
6畳の部屋はベッドや机、収納などをおいても十分な広さです。中学生や高校生くらいの子供には6~7畳くらいのサイズがあるとちょうどいいでしょう。あまり広く取れない間取りのときは、ロフトベッドを活用して見るのがおすすめ。ベッドの下に勉強机や収納を置けるので、小さいスペースでも勉強スペースや遊べるスペースを確保できます。
10畳以上の部屋を子供部屋にする場合は、間仕切りをして二人部屋に可変可能。三人でも小学生高学年くらいまでは遊べるサイズがあります。間仕切りなし雑魚寝にしたり、三段ベッドと学習机3つ横並びにおいてみたりしても問題ないでしょう。大きな部屋は子供が増えたときに調整しやすいので、子供の予定がある場合は小部屋が多い家より大きな部屋が一つある家を選ぶといいでしょう。
子供部屋はいつから必要?
子供部屋を作るタイミングは小学校入学くらいのタイミングが一番多いようです。幼稚園や保育園に通いだしてからという家庭が次に多く、小学校高学年にはほとんどの子供が自分の部屋を持っています。子供部屋を早めに作ることで、自立心が育ったり整理整頓ができるようになったり子供にとってメリットがあったと感じる親御さんがたくさん。
海外では、産まれたときには子供部屋を用意して、母乳が外れて一人で眠れるようになったころには一人部屋で眠る練習を始めます。個人のプライベートを守ることが子供の主体性や判断力を養うきっかけになっているそうです。世間のタイミングは参考程度に、家庭の都合や子育ての目的に合う時期に子供部屋を作ってあげましょう。
子供部屋のメリット・デメリット
子供部屋を作るときにはメリットだけでなく、デメリットもあることを知っておきましょう。
メリット
子供部屋で遊んでくれるようになると、リビングやキッチン周りにオモチャを持ってくることが減ります。持ってきたオモチャが散らかったり汚れたりしにくくなるので片付けの手間も軽減されるでしょう。母親のスペースを確保できるようになるのもメリットの一つです。リビング学習をさせても子供の部屋があれば、ものが散乱しにくく整理整頓がしやすいのでキレイな部屋をたもちやすくなります。
子供部屋ができれば、他の部屋はインテリアを楽しむこともできます。原色の赤や青、黄色などのオモチャが部屋中に散らばっていると、インテリアをシンプルなナチュラルテイストにしていても、オモチャのカラーで台無しになってしまいます。子供部屋にオモチャを収納できれば、リビングのカラーを統一させたり、インテリアに凝ってみたり、楽しめるようになりますよ。
デメリット
最初は子供一人で片付けるのが難しいので、掃除や片付けは親がサポートしなくてはいけません。一部屋増えた分手間が増えるような感覚になりますが、少しずつ自分でできるようになっていくので気長に待ちましょう。
子供部屋を作ったあとも片付けや整理整頓に慣れるまでは学校の準備などのサポートが必要です。片付けができないということは、どこになにを置いたのか分かっていません。明日の授業で必要なものや、提出しなくてはいけないものを失くしてしまうといったことも考えられます。親の目が行き届かないまま放置してしまうと、家と学校でのギャップが生まれてしまうかもしれません。子供部屋を作った後は親のフォローが大切です。
小中学生くらいの少し大きくなってきた時期には、子供部屋がたまり場になってしまってしまうこともありますので注意しましょう。
おしゃれな子供部屋にする方法
女の子の部屋にはプリンセスのようなキラキラしたお部屋、男の子には宇宙船や海をイメージしたお部屋など、イメージのコンセプトを決めることがポイント。
コンセプトに合わせたカラーで、カーテンやベッドカバー、ラグなどで全体の色を統一しましょう。壁紙が殺風景という場合は、ウォールステッカーを張ってみるのもおすすめです。賃貸のマンションでもウォールステッカーなら跡が残らずかわいく部屋をイメチェンできます。
どんなコンセプトでも、家具一つひとつの素材は統一しておくようにしましょう。淡いカラーの木製のベッドをベースに、学習机も木製素材に統一したり、白色のパイプベッドにはパイプ足のついたPCデスクにしたり、テイストを合わせるのがおしゃれな部屋づくりのコツです。
部屋のドアに名前のプレートを掛けたり、ステッカーでデコレーションしたりするのもおすすめ。部屋のドアはシンプルさを残してやり過ぎない方がおしゃれになりますのでぜひ試してみてください。